

基本データ
(森林階層)

どんな植物?
ヤシャブシという名の由来は、松ぼっくりに似た果穂を煮出した液を、鉄媒染(てつばいせん)で染めると濃い黒色になることから、「鉄を喰う夜叉(夜叉が鉄を食べたように黒くなった)」に喩えられたことに由来するとされています。昔からこの果穂は、黒染めや茶染めのための重要な染料・媒染剤として利用されてきました。 崩壊地、河原、造成地など、他の植物が生育しにくい乾燥した痩せ地や裸地に進出して、いち早く群落を形成するパイオニア種です。この性質が、治山事業(山地の崩壊を防ぐ事業)や砂防工事に広く利用される理由です。 風媒花ですが、花粉がミツバチに積極的に利用されます。 深く広く根を張り、根の一部にコブ状の根瘤(こんりゅう)を形成します。この根瘤の中に共生する放線菌(フランキア)が、大気中の窒素を取り込み、樹木が利用できる形に変える(窒素固定)ことで、無肥料でも育つことができます。 この働きによって、ヤシャブシが生えた後の土地は豊かになります。 その為、フォレストガーデンやアグロフォレストリーの導入初期には非常に有益な先駆植物として活躍します。

育て方
土壌を選ばず、やせ地でも問題ありません。日当たりと風通しの良い場所を選んで植え付けます。 植え付け直後は必要ですが、定着すれば基本的に不要で、乾燥に強いです。 自然樹形を楽しむ場合は不要ですが、大きく成長させたくない場合は、落葉期に剪定します。強く刈り込んでも比較的耐えます。 種子が非常に小さいため、自然に発芽・増殖することもあります。

活かし方
染料:として10〜11月に採取した果穂を乾燥させ、煮出した液を媒染剤(特に鉄媒染)として使用することで、羊毛や絹などを茶色や黒色に染めることができます。 クラフトでは 松ぼっくりに似た小さな果穂は、リースやドライフラワー、テラリウムなどのクラフト材料として人気があります。 薬用:として樹皮や葉に含まれるタンニンが、民間薬として利用されることがあります。 用途:は収斂作用(組織を引き締める作用)や抗炎症作用があるとされ、煎じてうがい薬や止血に使われることがあります。 薬用として利用する場合は、かならず伝統医や漢方に精通した専門家や薬剤師にご相談ください。 強力な根張りと窒素固定能力により、土砂崩れや侵食の防止、砂防などに極めて有用です。日本の国土保全に欠かせない樹木の一つです。 土壌改良:として窒素固定によって肥料分を作り出すため、荒廃地の初期緑化に適しています。
※食用・利用に関するご注意
本ページの情報は、植物の一般的な特徴や伝統的な利用例を紹介するものであり、特定の効果・効能を保証するものではありません。
食用・その他の利用については、利用者ご自身の判断と責任において行ってください。
体質や体調によっては合わない場合もありますので、少しでも不安がある場合は、専門家や医療機関にご相談ください。
誤った利用による事故や体調不良などについては、責任を負いかねますのでご了承ください。

おすすめ品種
オオバヤシャブシ(Alnus sieboldiana): ヤシャブシよりも葉が大きく、樹高も高くなるため、砂防や緑化により広く使われます。 ヒメヤシャブシ(Alnus pendula): 枝が細く、より小型で樹形がやや横に広がる傾向があります。

備考
参考資料
記事を書いた人
JUN
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